うつ病回復へのプロセス

 

このページではうつ病が回復するプロセスについて述べていきます。

 

うつ病の回復に向けて

 

受診から休職まで

 

医師による治療は必須。そして十分に休養をとること

 

「うつ病かな」と感じたらまず病院を受診してください。精神神経科がおすすめです。

「カウンセリングだけで治る」などという話を信用してはいけません。

医師による治療は薬物療法が中心になるかと思います。医師の指示のとおりに正しく服用してください。薬の副作用などが出た場合は我慢せずに医師に伝えてください。

 

回復にむけて休養をとることがもうひとつの重要な柱になります. 。一か月からニヵ月、しっかりと休んだほうがいいでしょう。

 

この時期は今までの疲れがどっと押し寄せてくる時です。家にいても何もする気がおきず寝てばかりという方もいるでしょう。

 

でも今の時期はそれが自然です。家の中でごろごろしていれば、すこしづつ回復を感じられるでしょう。

 

しかし、中には「休み方がわからない」という方もおられます。

 

すこし回復を感じるようになると「休んでいる自分」に罪悪感を感じたり、「会社の中でとりのこされてしまう」という恐怖を感じることもあるようです。

 

このようなときに少し無理をして活動をはじめてしまい、回復を遅らせてしまうことがあります。

 

会社で残してきた仕事を家でしてしまったり、「この機会に勉強しよう」と大量の本を読もうとしたり、「この機会に体を鍛えよう」としてランニングをはじめたり・・

 

気持ちはわかるのですがここはわりきって「活動を禁欲」してください。

 

「しっかり休む」ということは実は辛いことです。しかしここが我慢のしどころです。

 

家族に自分の辛さを理解してもらう

 

うつ病の辛さは当事者にしかわからないものです

 

しかしながら「しっかり休むため」には家族の方にあなたの「辛さやしんどさ」を理解してもらったほうがよいのです。

 

家族の方に当ホームページのうつの方を支える家族のかたへを読んでもらってもよいでしょう。

 

またうつの参考文献を読んでもらうのも一つの方法です。

 

自分のことを自分で説明するのはなかなか難しいものです。「辛さ」を自分では伝えにくい時にはこうした方法をとるのもよいでしょう

 

復職後のリハビリ期

 

しっかりと休職中に休みをとり、回復を感じられたら、いよいよ復職することになります。

 

しかし、ここで無理をしてはいけません。

 

復職してから本調子に戻るまでは一年間くらいかかると考えてください

 

この時期注意すべき点がふたつあります。重要なポイントなので覚えておいてください。

 

@まだ回復が十分ではない。
活動のためのエネルギーは元気な時の7割くらいです。

 

A気分が「いいとき」と「悪い時」を行ったり来たりする。
 気分の良しあしに大きな波がある

 

順に述べていきます。

 

@まだ回復が十分でなく、活動エネルギーが7割しかないこと。

 

復職してからしばらくは仕事の量を半分くらいにしておいたほうがよいでしょう。まだエネルギーが7割しかないのです。

 

7割のエネルギーで、元気な時と同じ仕事をしていたら、負担感やしんどさは元気な時の2倍くらいに感じられるのでは
ないでしょうか?

 

すこしづつ時間をかけて仕事の量を増やしていくのですが、どれくらいの仕事の負荷が適当なのかは個人差があります。

 

どれくらいの仕事量が適当なのか、その「さじかげん」はわかりにくいものがあります。

 

ではどうすればよいのでしょうか?

 

できることなら、「細かい休み」をいれてみてください。

 

仕事をしてみて、「ちょっとしんどいな」と感じたら、3日休んでみる。また働いてみて「しんどいな」と感じたら「3日やすむ」という具合です。

 

このように細かい休みを途中でいれながら、徐々に仕事の負荷をあげ、「さじかげん」を調整できればベストです。

 

ところで、仕事のほかにも、家庭では育児をしたり、子供さんの進学の悩みにつきあったり、あるいは家族の方が病気になったときなど看病しなければならないときもあります。

 

家庭内での負担も減らせればそれにこしたことはないのですが、「どうしてもやらなければならない」ことはあるものです。
それはそれで仕方がないので、この時期できるなら、休日はじっとしておいたほうがよいでしょう。

 

休日の過ごし方にも注意が必要です。

 

少し気分がいいとき、遊びにいきたい気持ちはわかりますが、ここは我慢のしどころなのです。

 

この時期、医師から処方された薬を医師の許可なくやめてしまう方もおられます。これは危険なので絶対にやめてください。
今まで飲んでいた薬を急にやめると、急にうつの症状が強く出てくることがあります。

 

副作用などが気になるときには、医師にその旨を伝えて、改善をはかりましょう。

 

A気分が「いいとき」と「悪い時」を行ったり来たりする。
 気分の良しあしに大きな波がある。

 

さっきまでイライラしているなあ、と感じていたのに突然悲しくなって涙が出てきてしまう・・・・

 

気分よく仕事をしていたのに、急に気分が悪くなってクラクラしてしまう・・・・

 

「もう良くなった」と感じていて、ここんとこ一週間くらいはとても調子がよかったのに、今日になって突然気分が落ち込み、死にたくなってしまった・・・

 

うつで休職したあと、復職した時など、このような「訳のわからない状態」に直面する人は多いものです。

 

「自分自身のことなのに自分自身をコントロールできない」ことはとても怖いことですし、「もうひょっとしたら治らないのではないか?」という不安と絶望感を生んだりしますね。

 

うつからの回復時にはこのように「調子のいい時」と「悪い時」の波があります。

 

この波は数日おきに繰り返す場合もあるし、一日のなかで繰り返す場合もあります。

 

こうした波を繰り返しながら回復に向かっていくのです。

 

そしてこの「うつの波」は錯覚を呼び起こします。

 

「せっかく良くなってきたのに、また最初からやり直しだ」

 

「もう治らない。元気になれることはないのだ」

 

こうした錯覚はただでさえ辛い症状を後押ししてしまいます

 

実は波があるのは「あたりまえ」の事なんです。波があることがうつの特徴なのです。

 

決してあなたがダメになってしまっていたり、壊れてしまっているわけではないのです。

 

 

 

あなたの周囲の人たちの目に映るのは「比較的調子の波がいいとき」のあなたです。だからこそあなたに期待をしてしまいます。

 

でもあなたは「とても調子波が悪い時」の自分を意識してしまいます。だからこそ「周囲に理解がない」と感じてしまいます

 

こうした認識のギャップがあると、辛いですよね。

 

うつは「気分の上下する波」を細かく繰り返しながら回復に向かうということを覚えておいてください。

 

気分のいい時はその状態を楽しみましょう
問題は気分が落ちてしまっている時です。

 

その時にはまず「一時的な落ち込み」であることを自分にいいきかせましょう

 

また症状が悪化したということではありません。
あくまで一時的な落ち込みです

 

そしてそういうときには無理に頑張るのはやめましょう。
少し休めば、また気分はあがっていきます。

 

うつ回復期の「死にたい気持ち」

 

「死にたい気持ち」はうつ病に付随する「病気の症状」です。回復中に疲労がたまってきたりするなどに出てくることがあります。

 

少し休養し体調をもとに戻せば「死にたい」という気持ちも消えていきます。

 

詳しくは下のページをご参照ください。

 

死にたいと言われたとき

 

カウンセラーの利用もお薦めです

 

うつの波が苦しい 本当に治るんだろうか?

 

実際のうつの波は非常に苦しいものであり、どうしても不安が次から次へと湧いてくるものです。

 

そうした不安を何度も何度も経験し乗り越えていくものですが、回復期の不安は実際に言葉にされ、語られることにより軽減していくことができます。

 

よろしければカウンセラーと話してみませんか?

 

心の相談室りんどうはうつの回復期にあるあなたの支援を行います。

 

こころの相談室  りんどう  担当カウンセラー 馬場健一

 

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参考ページ

 

 よろしければこちらもご覧ください

 

うつとはどんな症状があるのか?

 

うつ病の症状と発症の契機をご覧ください。

 

・うつのリハビリ中だが症状に波がある。

 

・突然「死にたい気持ち」が出てくる

 

うつ病回復期の波〜リハビリ期の8つの注意事項をどうぞ

 

・大切な人に突然死にたいと言われた

 

死にたいと言われたときをどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考サイト

よろしければこちらもご覧ください

 

「ひょっとして『うつ』かな。心配だな」と思われたかた。

 

うつ病かどうか診断できるテストがあります

 

うつ病診断〜ベックうつ病診断調査票をどうぞ。

 

うつ病の原因と症状について知りたい方は

 

うつ病の症状と原因をどうぞ

 

・うつのリハビリ中だが症状に波がある。

 

・突然「死にたい気持ち」が出てくる

 

うつ病回復期の波〜リハビリ期の注意事項をどうぞ

 

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具体的な症例は

 

うつの症例と解説をどうぞ