「死にたい」と言われたとき

 

今、このページを開いているあなたは、非常に動転しているかもしれません

 

大切な人に「死にたい」と言われてしまったり、自殺をほのめかされたりしたら、誰だって大きなショックをうけてしまいます

 

非常に動揺しておられると思いますが、対応の方法をお伝えします。

 

あなたの大切な人が「死にたい気持ち」を表明したとしても、助ける方法はあります。

 

大丈夫ですから、まずは少し落ち着きましょう。

 

少しおちついたら、次に述べる「対応の方法」を参考にしてくだい。

 

死にたいと言われた時の対応法

 

「死にたい」と言われたら・・・

 

生きていてほしい」「死んでほしくない」ということは十分強調してください。同時に「死にたいほど辛い気持ちは遠慮なく話してほしい」ということも伝えてください。

 

例  「絶対に死なないでね。でも死にたいほど辛いのでしょうから何でも話してね。話せば少しは楽になるかもしれないから」

 

本人の話をきいてあげることによって、本人を落ち着かせてあげてください。

 

本人が抱えている問題やトラブル(人間関係や金銭の問題など)を解決してあげようとする必要はありません。

 

今の「死にたい」という気持の山を越えさせてあげれば十分なのです。

 

解決策を考えるより、一緒にいてあげること、話を聞いてあげることで、本人は落ち着いてきます。

 

説得するのではなく、落ち着かせること。

 

そのためには相手の話を否定しないで聞くことです。

 

相手があまり話したがらない時は、無理に話をさせる必要はありません。こんな時は一緒に沈黙して同じ時間をすごしてあげてください。

 

「何を話したか」ではなく「一緒に過ごした時間」が死にたい人の気持を癒してくれます。

 

「死にたい」と言われた時の会話のコツ

 

コツは二つです。

 

話を否定しないこと。

 

できるだけ時間をかけること。

 

この二つを心がけるだけでかなりうまくできます。

 

 

本人の話を否定しない。問い詰めない。

 

悩みの原因を探して対処の方法を考えようとしたりするのは、今の場合は得策ではありません。本人が語る辛さをそのまま肯定してあげてください。

 

たとえば・・・

 

例 「誰も口をきいてくれない。こちらから話かけられない」と相手が言った場合

 

「それじや、辛いよね」

 

「やっぱりあなたのほうからみんなの中に飛び込んでいかなきゃ」とかいうふうに、対応の方法を議論するのはNGです。

 

じっくりと時間をかけて話を聞く

 

本人の感情を否定しないで、しっかりと話を聞いてあげてください。

 

 

「何を話したか」という「話の内容」ではなく「一緒にいてくれる時間」が「死にたい気持」に苦しむ人の辛さを癒していきます。

 

うつ病の可能性がある場合

 

「死にたい」と言っている本人が、「死にたい」と言う以外に心身の不調がある場合ー不眠や食欲不振、イライラ、集中力の低下などーがある場合、うつ病の可能性を考えてください。

 

「死にたい気持ち」はうつ病の症状のひとつだからです。

 

本人の心身の不調は、社会生活にも影響を及ぼしてきているはずです。

 

・ふさぎこんでいて元気がない

 

・以前と比べてイライラしている様子で、怒りっぽくなった。

 

・仕事中のミスが多い

 

・遅刻が増えてきた

 

・休みの日もだるそうで寝てばかりいる。

 

このような兆候が見られた場合はうつ病の可能性を考えてください。

 

もしも「うつ病」にかかっていたとしても、「死にたい気持ち」はうつ病という「病気の症状」ですから、うつ病が治るにしたがって「死にたい気持ち」も消えていきます。

 

うつ病は治る病気です。

 

「死にたい」と言うほかにも、あなたから見て変化〜たとえば妙に元気がなかったり、食欲がなかったり、つまらないミスを続けたり、イライラして些細なことで怒ったり〜といった変化に気づくことがあるかもしれません。

 

うつの可能性があるのであれば、以下の対応法を参考にしてください。

 

精神科を一緒に受診する。

 

本人の話を十分聞いたあと、精神科の受診を薦めます。その時のコツをいくつか述べます。

 

●死にたい気持ちは疲労が極限に達した状態であることを話す。

 

●死にたい気持ちをもつあなたは、いつものあなたではないということを伝える。

 

●医師のもとで治療し、休養をとれば本来の自分自身に戻れることを伝える。

 

●今抱えている問題は元気になってから考えればいいことを伝える。

 

本人が受診を承諾したら、家族の方も一緒に付き添ってください。その時、家族からみて心配なこと、気になっていたことを医師に伝えてください。

 

このあと本人が少し落ち着いてくることがあります。それだからと言って、受診をやめてはいけません。必ず医者へ行ってください。

今まで元気だった人が「急に死にたい」と言い始めた場合も「うつ病」の可能性を疑ってみてもいいと思います。うつ病に罹患すると「死にたい気持ち」が病気の症状として出てくることがあるからです。

 

うつ回復期の「死にたい気持ち」

 

うつ病の一番辛かった時期を超え、「なんとなく良くなっているな」と感じているときに、突然気分が落ち込み、死にたい気持ちが出てくることがあります。

 

このようなとき本当に驚いてしまいますし、「本当に治るのだろうか?」と不安になってしまいますよね。

 

しかし「死にたい気持ち」はうつからの回復期に、多数の方が経験していることなのです。

 

「死にたい気持ち」は決して軽視すべきではありませんが、「死にたい気持ちが出てきた」からといって、「もう治らない」とか「もうダメだ」ということではありません。

 

「死にたい気持ち」は「うつ」という病気の症状にすぎないのです。

 

「あなたが人間的に弱い」とか「あなたが壊れた」ということではありません。

 

「もう治った」と思っていたのにこういう気持ちが出てくるとショックは大きなものですし、「もう治らないのではないか」と怖くなる方もおられます。

 

そんなことはありません

 

うつの回復につれて、「死にたい気持ち」も消えていきます。 

 

そして「うつ」は確実に治る病気です。

 

死にたい気持ちが出てきたときには

 

「死にたい気持ち」は突発的なものであり、すこし落ち着けば消えていきます。

 

とはいえ、ほうっておいてもいけまん。

 

精神科の医師に「死にたい気持ち」のことを相談してみてください。

 

「死にたい気持ち」を抑える頓服薬を出してくれることもあります。

 

また、「死にたい気持ち」が出てくるときには、ちょっと頑張りすぎて疲れてしまったりしたときが多いです。

 

疲労がうつの波を一時的に悪化させているのです。

 

うつの波が悪化すると「死にたい気持ち」がでてきます。

 

そんなときには仕事や家事から離れて、まず休養をとってみてください。

 

二日か三日、会社を休んでみてもよいでしょう。

 

ただし、不眠や食欲不振など、「うつ」の他の症状が強くでている場合は、もういちど休養をとり、治療を最初の段階からまたはじめなければならない場合もあります。

 

「なぜ生きるか」という悩み

 

うつからの回復期に「人生の問題」について悩む方も多いです。

 

 

「自分はなんのために生きているのだろう」とか「人生の意味はなんだろう」といった具合に、簡単に答えをだすことができないテーマを考えだす方が実に多いのです。

 

ひょっとしたら、「自分が周囲の人たちに迷惑をかけている」とか「今の自分は会社にまったく貢献できていない」とか感じてしまうからかもしれません。

 

このような気持ち(自責感)を強めてしまうのも病気の症状のひとつです。

 

そして、今は元気なときの7割しか能力を発揮できないときなのです。

 

本来もっている力を出せないときに「深淵なテーマ」について考えてもいい考えはうかびません。

 

一時的にこのテーマを棚上げしてみることも必要かもしれません。

 

カウンセラーの利用もお薦めです

 

うつの波が苦しい 本当に治るんだろうか?

 

実際のうつの波は非常に苦しいものであり、どうしても不安が次から次へと湧いてくるものです。

 

そうした不安を何度も何度も経験し乗り越えていくものですが、回復期の不安は実際に言葉にされ、語られることにより軽減していくことができます。

 

理屈ではわかっていても苦しいものです

 

 

支えるあなたへ〜

 

「死にたい気持ち」を持っている方を支えるのは本当に負担の大きいことです。

 

「死にたい気持」を持つ人を支えるあなた自身は大丈夫ですか?

 

不安感がとても大きくなり、頭から離れなかったりしませんか?

 

また、ネットのページなどに書かれている対応法を読んでみて、逆に不安になったりしてはいませんか?

 

・言ってはいけない(と書かれている)事を言ってしまった・・・

 

・あれを伝えるのを忘れた。こんなことを話せばよかった・・・

 

・あのときの私の態度はよくなかったのではないか・・・

 

・もしも自分の対応が間違っていたせいで、あの人が死んでしまったらどうしよう・・・

 

実際には、「死にたい」と言われてしまい、冷静に話ができる人などほとんどいません。

 

また、「死にたい」と語る人と話をするときに、「模範的な話し方」ができる人もほとんどいません。

 

ですからあなたのやれることをやれる範囲でやれば十分なのです。

 

あなたが支えている方はあなたの愛情と勇気を十分理解しているはずです。

 

 

 

そんなふうに言われても、どうしても怖くて仕方がなかったり、接し方に自信がなかったりすることはあるかもしれません。

 

もし、誰かを支えるのが苦しくなったなら、心の相談室りんどうへご相談ください

 

「大切な人を支えるあなた」にも安心と癒しが必要だからです。

 

 

心の相談室りんどう  室長 馬場健一

 

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参考ページ

 

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「ひょっとして『うつ』かな。心配だな」と思われたかた。

 

・うつのリハビリ中だが症状に波がある。

 

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うつ病回復期の波〜リハビリ期の8つの注意事項をどうぞ       

 

参考文献  対人関係療法で治すうつ病  水島広子  創元社

 

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